2023.04.05

グソーのお金に食らいつけ!シーミースイーツ「うちかびスケット」

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もうすぐ沖縄の大事な年中行事、シーミー(清明祭)の季節。シーミーに欠かせないアイテムのひとつであるあの世(グソー)のお金「ウチカビ」が、なんと食べられるスイーツにになってしまったというのだ。

オフィシャル・シーミー・スイーツ爆誕

沖縄はもうすぐシーミー(清明祭)の季節。シーミーといえば二十四節気のひとつである「清明節」の時期に親族一同で行うお墓参りのことですが、その様子は「お墓の前でピクニック」と例えられるように、久しぶりに顔を合わせる家族や親戚とオードブルなどのごちそうを囲み、長い時間をかけてワイワイと賑やかに行われることが多い行事です。

そんなシーミーに欠かせないもののひとつに「ウチカビ」があります。
ウチナーンチュはもちろんDEE読者の皆さんもご承知のことかと思いますが、ウチカビとはあの世のお金のこと。硬貨を模した丸い模様が型押しされた、キッチンペーパーのようなゴワゴワした質感の黄色い紙のお金ですね。シーミーの最後に燃やすことでご先祖様に送金しあの世でのお小遣いにしてもらうものです。

そんなウチカビを、なんと食べられるスイーツにしてしまったお店があると伺って、早速お話を聞きに行ってきました。

訪れたのはこちら、先月3月17日〜26日までサンエー浦添西海岸パルコシティで行われていた「島の装い。展」。沖縄本島や離島から様々な作家さんが集まり、雑貨や食品、アクセサリーなどを販売する大人気のイベントです。

どこを見てもオシャンティな雰囲気の会場の中でもひときわ目を引くこちらのブースが、北谷に店舗を構えるCOFFEE AND CREATIVEなるお店「六屯 ROTTON」さん。件のウチカビスイーツを開発したという、そのお店です。


世界観の完成度の高さよ

普段は北谷町浜川にある外人住宅を改装した店舗で、朝6時から(!)ヴィーガンフードやコーヒー、スイーツなどを提供するカフェを営業している六屯さん。今回の目玉であるウチカビスイーツは「島の装い。展」で先行販売ということで初お目見えだそうです。それではご覧いただきましょう。

その名も、「うちかびスケット」
おばあ、これウチカビやない。ビスケットや。

パロディではなく、読谷線香“公認”スイーツ

仕掛け人である六屯の店主、コサカさんにお話を伺いました。


咄嗟にDEEポーズをキメてくれるサービス精神

めちゃくちゃありがたいことに、コサカさんは以前から...というかサイト立ち上げ当初からDEEを愛読してくださっているそうで、「台風でシャンプーとか最高でした!」ともう12年以上前の記事の話が出てきてちょっと変な声が出ました。

― うちかびスケット、先日新聞記事にも掲載されていましたが反響はいかがですか?

ありがたいことに、たくさん問い合わせをいただいてます!

「あの世のお金」の味は? 本物そっくりの菓子発売、線香店も公認 「ひと味違った先祖供養を|沖縄タイムス(2023年3月15日)

この商品を開発したきっかけというのが、時代の流れだったり特にここ数年は新型コロナの影響もあってシーミーのような行事をやる機会が減ってきていると感じていて。そんなときに、ウチカビを食べられるようにしたら面白いんじゃないか?とパッとひらめいたんです。
あまり行事ごとに関心のない若い世代にも、この商品をきっかけに沖縄の伝統文化に興味を持ってもらえたら嬉しいなと。

ウチカビは佛具なだけに否定的な意見をいただくこともあるんですが、なにかを人に伝えようとしたときに、やっぱりユーモアがいちばん人に届くんじゃないかと思っていてそこを大事にしています。少しでも沖縄を盛り上げたい、良くしていきたいという想いですね。


ユーモアはここにも。チョンダラーの衣装の生地で作ったオリジナルもんぺ「チョンペ」。

― ネーミングもですが、この「ほぼ本物」なパッケージデザインも秀逸ですよね。

これもこだわっていて、ウチカビを製造している読谷線香さんにしっかり公認をいただいています。こういうコンセプトでウチカビのお菓子を作りたくて...とまず相談させてもらったんですが、さすがに最初は意図がよく伝わらず困惑されてましたね(笑)でも最終的に社長さんからしっかり公認をいただくことができました。

面白がってくれたし、きちんと相談してくれたのも嬉しいと言っていただけて、このパッケージの帯のロゴも「自由に使っていいよ」との許可を得たので、実際のうちかびの帯からロゴをトリミングして作成しました。
だからこれ、パロディとかじゃなくて「本物」なんです。


泡盛南光のラベルデザインが好きすぎて、酒造所にコラボを持ちかけて制作したというバンダナ

― オリジナルグッズもすごくオシャレですが、デザインもすべてご自分でやられているんですか?

はい。もともとバンドマンで音楽やっていたり、前職では公民館に勤めてありとあらゆる業務をこなしていたので、基本的になんでも自分で作っちゃいますね。
よそができることはよそがやる。私たちにしかできない事は私たちがやる。そう思ってやっています。
うちかビスケットのこの表面の型押しもパッケージもひとつひとつ手作業でやっているのでたくさんは作れないんですよ。裏についているグソー味のおまけステッカーも自分たちでシルクスクリーンで刷って作ってます。


使い方にセンスが問われるホログラム仕様のグソー味ステッカー

うちかびスケットはまとめて買いたいと言ってくれる方もいるんですが、店舗スペース的に大きなオーブンが置けないので一度に焼けるのが3枚なんです(笑)
型もひとつひとつ押してるので時間がかかかってしまって。一気に押せる金型があればいいんですけどね。量産がこれからの課題です!


お話を伺っている間にもうちかびスケットを買い求めるお客さんが続々と

今回いろいろとお話を伺ってみて、ただ面白いだけではない、沖縄の文化や先人たちへのリスペクトや愛がたっぷりと込められた商品だということがひしひしと伝わってきました。
六屯さんが出展していた3日間、うちかびスケットは1人3枚までの個数制限を設けていたものの連日早い時間で完売だったそう。

そしてうちかビスケットの他にも、ちょっとオシャンが過ぎる六屯オリジナルグッズがいろいろ。


六屯オリジナル商品は自家製ジンジャーシロップや純黒糖グラノーラ、


オリジナルブレンドコーヒーまである。

そして北谷の店舗で提供されているヴィーガンフードもクリエイティブでめちゃくちゃ美味しそうなので近々行ってみなければ!

初めて食べるうちかびのお味やいかに

そんな貴重なうちかびスケットを分けていただいたのでお味見といきましょう。
ちなみに、お値段はシーミーにちなんで1枚430円です。徹底してる!

封を開けるとふんわりと香ばしい香り。


あ、うま!

はじめて食べるうちかびは、ザクッとした固めの食感にほんのり甘いかぼちゃの風味。そして時折キリッと顔を出す塩味が良いアクセントになっていてめっちゃ美味しい!素朴な味わいがくせになるやつです。
小麦粉ではなく米粉を使用していて小麦粉を避けている方にもやさしい仕様。気になる保存料なども無添加で作られているのでお子様のおやつにもぴったりなんじゃないかと思います。


食べてたら西日が日が差してきて妙にフォトジェニックやん

パルコシティでの先行販売を終えたうちかビスケットは、満を持して4月3日(シーミー!)から北谷町にある六屯さん店舗にて販売スタートしています。数量限定販売となるそうなので、販売日や予約方法などの最新情報は六屯さんのInstagramをフォロー&チェックしてくださいね!

 

 

今年のシーミーはくわっちーにうちかびスケットを添えて、ご先祖様と一緒に美味しくいただくのも良いかもしれませんよ。


ステッカーはとりあえず炊飯器に貼ってみた。ピッコロ大魔王が入ってそうで良い。

六屯 ROTTON
〒904-0112 沖縄県北谷町浜川183
営業時間:6:00〜15:00 ※14:30 L.O
定休日:水・木
Instagram:@rotton8989

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