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戦直後の沖縄のあんパンをつくる
沖縄の戦直後であんパンは芋とコカコーラの原液が使われていたという資料があった。ペプシコーラの原液は売っていたのでためしてみよう。

少し前にペプシコーラが「割って飲む原液」というやつを発売して、ちょっとだけ話題になりました。僕もめちゃめちゃ濃いコーラを作ったりして一人で悦に入ったりしています。
まぁ、コーラの原液を買ったのはコーラが飲みたいわけじゃなくてですね、ずっとやってみたかった事があったのです。

ここにあるのは沖縄県製パン事業協同組合の10周年の記念誌に掲載された座談会です。司会はオキコの社長、出席者はぐしけんパンの会長だったり、第一パンの社長などすんごい面子が参加されているのですが、沖縄での製パンを振り返る内容で色々と興味深い内容が書かれています。
その中の記述に以下のようなものがあるのです。
22年の5月に小麦粉の配給があったのですが、その頃、沖縄には正規の枡がないものですから、板切れで作った枡に粉一杯を盛って、それをパン屋に持っていって、委託加工させるといった具合でした。
パン屋は、その粉でバンズぐらいのパンをつくって、粉一升に対して、それを10個あげると。売るときは一個3円でした。
パンの中身は何かというと、イモをすり潰しまして、砂糖は、当時生産されていた黒糖のようなもの。または、コカコーラの原液。これは、ドロッとして糖蜜のような感じのものでしたが、すり潰したイモに、そういうものを混ぜて、あんパンの中身にし、そのパン10個と粉一升を交換するわけです。
戦直後のあんパンには芋とコカコーラの原液が使われていた…!今回はペプシコーラの原液ですが同じようなものが再現できるのではないでしょうか?
芋とコーラの原液であんパンをつくろう

というわけで芋を買ってきました。座談会では「すりつぶした芋」という表現がなされていましたが、さすがに生の芋をすりつぶしてパンに入れるのは無いと思うのでふかした芋だったのではないかと思います。
とりあえず時間がかからなそうな焼き芋をチョイス。

芋から皮を取って

コーラの原液をイン

混ぜます。座談会ではコーラの原液は「ドロッとして糖蜜のような感じ」と表現されていましたが、販売されていたペプシコーラの原液は割とさらっとしています。ひょっとしたらもっと濃かったのかなと思います。
あんことはにても似つかないですが、なんか妙に爽やかな匂いは漂っています。

これをパン生地に包んでいくわけなんですが、パン生地作るのってめちゃくちゃ時間がかかるじゃないですか。悲しいかな、これやっているの締め切り朝なのでとりあえず簡易的な方法でホットケーキミックスで生地を作っています(すみません)。

ホットケーキミックスを使っておきながら、全然生地がまとまらないという紆余曲折もありましたが、とりあえず焼き上がりました。なんか妙に丸くなっていますが、まぁ中身がメインなので!パンの事には目をつぶって!

気になる味なのですが、めちゃめちゃ甘いです。もとになった焼き芋も結構な甘さだったので、そこにコーラの原液を加えたことで甘さの塊みたいになりました。もっと甘くない芋の方がほどよい甘さになった気もします。
そして、後味に残る「ペプシコーラ感」がすごい。ペプシコーラってちょっと後味が独特じゃないですか。甘さの後にペプシコーラが口の中を駆け抜けます。
全然あんパンじゃない感じのものができましたが、ねっとりとした芋+爽やかなコーラの匂いは割とアリなのかなと思いました。ラムネあんパンみたいな感じですね。
戦直後の沖縄のあんパンが本当にこんな感じなのか、答え合わせはできてないのですが割とずっと気になっていた事だったので今回検証できて良かったです。コカコーラの原液が販売されるみたいな事はなさそうですが、もしも販売されたらまた作ってみます…!










