15年ぶりの夏の甲子園制覇!そのときマチグヮーは?

沖縄県勢が15年ぶりの夏の甲子園制覇に挑むということで、試合中の街の様子を見に行ってみることに。果たしてマチグヮーはどんなことになっていたのか

15年前に見た甲子園決勝の街の風景


15年前の興南高校優勝時

私が20年前に移住して驚いたことの一つが、普段は恥ずかしがり屋さんの多い沖縄県民が甲子園の応援の際に見せる熱狂ぶり。那覇のマチグヮー(市場や商店街)のあちこちにパブリックビューイングができ、それはもうお祭り騒ぎだったのをよく覚えています。

しかし、時代の流れと共に店が入れ替わったり市場が新しくなったりと、マチグヮーの雰囲気も変わり、寂しさを感じることが増えていました。

そして今回、沖縄県勢が15年ぶりの夏の甲子園制覇に挑むということで、試合中の街の様子を見に行ってみることに。果たしてマチグヮーは以前のように応援で盛り上がるのか、調査してみました。

パブリックビューイングの様子

パブリックビューイングと言えば、那覇市の平和通り商店街が沖縄県内では有名。試合が始まる10分ほど前、壺屋側から通りへ向かうと、さっそく準備をする人たちを発見。

以前は平和通りの花笠食堂の前あたりがひときわ盛り上がっていたが、こっちの方が広くて集まりやすいかも。

テレビの前にはブルーシート、横断幕「チバリヨー!沖縄尚学」、大太鼓、パーランクー(小型太鼓)、沖縄尚学高校のタオル・Tシャツ、緑色の鉢巻き、選手名カードまで揃っている。完璧。

平和通り商店街・パブリックビューイングの準備中
平和通り商店街・パブリックビューイングの準備中
沖縄尚学高校の選手名が書かれたカード
沖縄尚学高校の選手名カード

頭に緑色のタオルを巻いたリーダーとおぼしき男性が全体を仕切り、「はい!選手のカードやってね!」「パーランクーやりたい人いる~?」など、どんどん担当を割り振っていく。どうやら応援やるっぽいぞと、通行人や観光客も続々と集まってきた。リーダーが「みなさんは僕の応援を復唱してください。お願いします!」と一礼して大きく太鼓を打ち鳴らすと、この場に居合わせた人たちの中に一気に団結力みたいなものが芽生えるのを感じた。

午前10時、プレイボールと共に応援合戦もスタート。

紙吹雪を配るリーダー
紙吹雪を配るリーダー

まだ試合は始まったばかりだというのに、1回裏、沖縄尚学高校の攻撃の前には、早くも紙吹雪が配られる。こんなに早くに配って紙吹雪足りる?と心配したけど、その後、沖尚ナインがヒットを打つなどファインプレーをする度に、もれなく紙吹雪が舞うこととなる。さすがです、リーダー。

マスコミの取材陣も集まる
マスコミの取材陣も集まる

賑わいを嗅ぎつけて、県内外のテレビ局や新聞社などの取材陣も集まってきた。

他の場所は?

ガランとした平和通り商店街
ガランとした平和通り商店街

他の場所にもパブリックビューイングはできているのか気になり周辺を歩いてみると、甲子園の影響からか、土曜日だというのに開店していないお店もちらほら。

嘉数商会
嘉数商会のねこ店長みーちゃん

ねこ店長のみーちゃんで知られる老舗のタオル販売店・嘉数商会をのぞくと、いつもはぎっしりと商品が積まれている店頭もスッカラカンで、開店休業状態。みーちゃんだけが通常通り出勤していた。それもそのはず、後からわかったが、実は平和通り商店街のパブリックビューイングを仕切る敏腕リーダーこそが、嘉数商会を営む嘉数信太郎さんだった。なんと!

敏腕リーダーこと、嘉数商会の嘉数信太郎さん
敏腕リーダーこと、嘉数商会の嘉数信太郎さん

飲食店でテレビに釘付けのお客さん
飲食店でテレビに釘付けのお客さん

逆に試合に合わせていつもより早くから開けていると思われる飲食店では、みなさんテレビに釘付け。ファインプレーの度に拍手が起こっていた。

那覇市第一牧志公設市場のパブリックビューイング
那覇市第一牧志公設市場のパブリックビューイング

こちらは古くから県民に親しまれ、2023年にリニューアルオープンした那覇市第一牧志公設市場。中へ入ってみると、テレビを囲むようにして立ち見の人だかりが。

テレビモニターで隠れたお店の看板
テレビモニターで隠れたお店の看板

おそらく、みんなが見えやすい位置にテレビを持ってきたせいで、お店の看板がガッツリ隠れている。つまりは、お店<甲子園。この様子からも、沖縄県民にとって地元の高校球児を応援することがどれだけ優先順位の高いものなのかがわかる。

市場の食堂
こちらでも当然パブリックビューイング

市場の2階にある食堂に行くと、店員さんも座って見ちゃうほど試合に夢中。
観光客らしき人たちも一丸となって沖縄尚学高校を応援していた。

大平通り商店街
もちろんこちらでも当然パブリックビューイング

その他、平和通り近くの地元客で賑わう大平通り商店街でも、お店の人たちが仕事そっちのけで、太鼓を鳴らしながら応援に全集中。

緊迫の後半戦

試合も後半戦に差し掛かり、平和通り商店街に戻ると、観客の数は当初の倍以上に。
応援にも一層熱が入り、太鼓や指笛と共に大きな声援が通りに響いた。

パブリックビューイングに集まった大勢の観客
パブリックビューイングに集まった大勢の観客

そして試合もいよいよクライマックスというタイミングで、なんと、アンテナの不具合からか、テレビが映らなくなるというハプニングが発生。オーマイガーッ!

優勝の瞬間!

万歳三唱
万歳三唱

てことで、現場がザワついている間に、実は試合が終わってしまったんだけど(なんてこった!)、近くのお店のテレビモニターを見て勝利を知った観客からは、悲鳴にも似た大歓声が沸き起こった。
すると、これまた用意周到のくす玉と三線奏者がどこからともなく登場。勢いよくくす玉が割られると、指笛の嵐、喜びのカチャーシー、万歳三唱と、辺りは感動の渦に包まれた。

用意周到のくす玉
床に散らばった紙吹雪

優勝の瞬間は若干モヤッとしたけど、それはそれでいい思い出。
沖縄尚学高校、夏の甲子園、初優勝おめでとう!!

号外も出ました

琉球新報社で号外を待つ人の行列
琉球新報社で号外を待つ人の行列

パレットくもじ1階の広場で号外を待つ人たち
パレットくもじ1階の広場で号外を待つ人たち

試合終了後、那覇市にある琉球新報社やパレットくもじは、新聞の号外が配られるのを今か今かと待つ人たちでごった返していた。

そして、沖縄タイムスの号外を持ってきた新聞社の方を見つけるやいなや、我先にと人々がなだれ込んで行く様子は、若干恐怖すら感じた。やっとこさ、号外を配る人の近くまでたどり着いたが、あれよあれよとなくなっていき、私はもらい損ねました。ちーん。

もらえるー!
琉球新報社の号外

しかし、神は見捨てなかった。5分ほどすると、琉球新報社の関係者が号外を配りに来てくれて、こっちは余裕でゲット!琉球新報の号外が配られることを知らないで帰っちゃった人が多かったため、一人で3部くらいもらう人もいるぐらい、余っている様子でした。

【調査結果】

沖縄県民の甲子園の応援にかける熱意はあせることなく今なお健在で、マチグヮーのあちこちには思い思いのパブリックビューイングができ、それぞれが感動の渦に包まれていた。
実は撮影に夢中で試合の様子はほとんど見られなかったけど、沖縄県民の結束力、底知れぬ地域愛を感じることができて、沖縄ってやっぱしいいな!と改めて思ったのでした。

何度でも言っちゃうぞ!
沖縄尚学高校、本当におめでとう!幸せな時間をありがとう!

ゲストライター

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森井雅子
京都府出身、那覇市在住。沖縄のローカル番組のディレクターを15年経験した後、フリーランスに。沖縄を“もっと”おもしろくするべく、映像・イベントの企画制作、沖縄県民向けのまち歩きツアーのガイドやプロデュースなどを行う。
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