2014.07.23

【入りにくい店に入ってみた】喫茶スワン

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好評のシリーズ【入りにくい店に入ってみた】。すごく入りにくい店構えだけどなんだか気になっちゃうあの店この店、意を決してどんどん踏み入れていこうと思います。沖縄にはディープなお店がまだまだたくさん眠っているのです

沖縄の街を歩いていて大通りからふらっと路地裏などに入ってみると、営業しているのかいないのかも分からない、ものすごく入りにくい雰囲気のお店に出会うことがあります。
通るたびに気になって興味はあるのに、扉を開けるのにすごく勇気がいるような。

そこにあえて挑戦していくシリーズ、名づけて【入りにくい店に入ってみた】。

第一回:食堂 自流
第二回:カムイラーメン喫茶
第三回:平和食堂
第四回:聚楽苑(じゅらくえん)
第五回:マカビペット店
第六回:お食事の店 ホームラン
第七回:すきやき&おでんハウス 笑
第八回:USレストラン
第九回:宮古島の丼喫茶
第十回:お食事処 栄
第十一回:マイハウス
第十二回:司屋
第十三回:三星レストラン
第十四回:みえばし

今回は那覇市牧志公設市場近くにある喫茶スワンに入ってみました。

マチグヮーにひっそりと

那覇市牧志公設市場界隈のマチグヮーにお店はあります。気にして歩かないと通りすぎてしまうことも。

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入口は、左の白いドアではなく右の開いているドア。なかなかパッとは入りにくい佇まいではないでしょうか。

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ドアを入ると右手にシャッターが閉まったお店がありますが、目的のお店は階段を上がったところ。
壁に貼られた青いタイルカーペット、階段の赤いじゅうたん、蛍光灯の灯りが時代を感じさせます。

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階段を上がった先にある格子のドアはお店の入口。店内は薄暗く、中の様子はわかりません。飛び込みでは入りにくい雰囲気がありますが、入ってみましょう。

喫茶店というよりはスナックの雰囲気

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店内は思ったよりも小ぢんまりとしています。照明はダウンライトがメインで明るくはありません。カウンターに6席。テーブルが5席。約20名ほどで満席。

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The喫茶店
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座席はベロア調のソファ。色が渋い

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コーヒー会社のネオンと水槽が怪しく光り、低音量の音楽が流れる店内は何とも言えない雰囲気を醸し出しています。

喫茶店のメニュー

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お食事メニューは約20種類。肉系から魚系、カレーにスパゲティ、サンドイッチにトーストがあります。

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喫茶店で珍しいメニューは、カレースパゲティーやおにぎりあたりでしょうか。どれもお値段は600円から700円の間。

懐かしい味

注文したのは、喫茶店の定番スパゲティナポリタン(650円)とカツカレー(650円)。

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これぞ喫茶店の王道ナポリタン。細めのパスタは程よいアルデンテ。具はハム・ピーマン・にんじん。ケチャップとバターの味がたまりません。ナポリタンは少し焦げたところが美味しいんですよね。

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こちらはカツカレー。一口サイズに切られたカツは揚げたてでサックサク!シンプルなルーは甘めの味で、カツの味が際立ちます。こういうシンプルなカレーって無性に食べたくなる時があります。ご飯の量は多すぎず少なすぎず腹8分といったところで丁度いい。

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15時までは、アイスコーヒーかアイスティーが付いてきます。ストローの先の袋に喫茶店ならではの気遣いを感じます。

創業42年目の老舗

沖縄が本土復帰した1972年の翌年から営業開始。今年で創業42年目に入った老舗。開店当初はスナック喫茶として、朝9時から夜中の1時まで営業していたそうです。ジュークボックスや当時最新のテーブル型ゲーム機などを置きお店は繁盛、店主さんを含め5名のスタッフがシフト制で切り盛りしていたのだとか。その後、スナックは止めて喫茶店だけに。

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常連さんの中には、スワン同様に昔からマチグヮーで商いをしている人も多いそうです。
昔のマチグヮーといえば、今のようにお土産屋さんばかりではなくて、ベビー服屋や瀬戸物屋、本屋、薬局など生活のための商店街で、子供連れの地元客が多くいつも人でごった返していたそう。今では聞かなくなった迷子の呼び出しも日常茶飯事と賑やかだったと、ママさんは懐かしそうに語っておられました。

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ボタンの大きさと手書き文字にグッとくるジュークボックス

故障していて現在は骨休め中のジュークボックス。これを欲しがる人もたまにいて、売る気になったら連絡くださいと名刺を置いていく人もいるそうですが、「お店を続けるうちは骨董品としてお店に置いておこうねー、と思っています」。

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このゲーム機も創業当時からの物。いまはテーブル替わり

よく来るお客さんの中には、空手の国際大会が沖縄で開かれる時は外国人の空手家をゾロゾロと引き連れて来店してくれる人も。今どきは外国人も箸を使いこなし、それどころかマイ箸持参の人もいたりして「ビックリすることもあるよー」と。

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懐かしいピンクの公衆電話は維持費が高いということで今は使用しておらず、店の端っこで紐でくくられて放置。なのでお店に電話をかけてもつながりません。この辺も入りにくい、見つけにくい店度の高いポイント。

17時から閉店までは

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壁にカラオケ1曲100円と書かれた紙が。

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17時からはカラオケ喫茶に。1曲100円で歌えます。昔ながらのレーザーディスクカラオケです。
お店の営業が20時30分までということもあり、常連さんは17時になったらやって来てコーヒーを一杯飲みながら歌っていくそう。「上手な人はダメよ、下手な人が練習していくの」
ちなみに選曲は90年台後半まで。近所の安宿に泊まっている若い人たちは歌う曲が無い!と言って悩むとか。

自分のペースでボチボチと

こうして楽しくお話を伺っている間にも、20代30代くらいの若いお客さんが一人、また一人と来店、秘密の隠れ家でゆくっているような雰囲気で、長きに渡り色々な客層に愛されているお店だなぁと感じました。
ここ数年、沖縄でもオシャレなカフェブームが続いていますが、こういった昔ながらの喫茶店もいいものです。

今はママさんがお一人で営業されていて、お昼時はめまいがするほどてんてこ舞いになることもあり時々仕事行きたくない症候群に陥るけど、「ボチボチ」のペースで続けていきたいと思っているそうです。

できれば12時から14時頃のランチで混みあう時間は避けて14時以降に行きましょう。集団で来られても対応に時間がかかるので、食事が出てくるのを待てる、のんびりしたい、など時間に余裕がある時に行ってあげてくださいね。

ということなので、詳しいお店の場所は書きません。本当に行ってみたい人は調べて伺ってみてください。
11時から20時30分まで営業。

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