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【入りにくい店に入ってみた】すきやき&おでんハウス 笑
沖縄の街を歩いていて大通りからふいっと路地裏などに入ってみると、営業しているのかいないのかも分からない、もんのすごく入りにくい雰囲気のお店に出会うことがあります。
通るたびに気になって興味はあるのに、扉を開けるのにすごく勇気がいるような。
そこにあえて挑戦していくシリーズ、名づけて【入りにくい店に入ってみた】。
第一回:食堂 自流
第二回:カムイラーメン喫茶
第三回:平和食堂
第四回:聚楽苑(じゅらくえん)
第五回:マカビペット店
今回は、第四回の聚楽園さんに続き、またまたすき焼き店です。
すき焼き店=入りにくい、という黄金定理でもあるのでしょうか。
心が折れる入りにくさ
今回のターゲットは国道330号線沿い、宜野湾市上原ある「すきやき&おでんハウス 笑」。
わらい・・・?
情報化社会の今日において、Google検索しても店名はおろかほぼ情報が出てこないという硬派な店です。
すき焼き&おでんという沖縄では珍しい業態のお店ということで以前から前を通りかかるたびに気になってはいたのですが、今回意を決して訪れてみることに。
束ねられたカーテンの隙間から垣間見える店内はカウンター席がありまるでスナック。
ご家族連れ、模合、各サークルの集いにおすすめされても、ものすごく入りにくいです。
いちどドアノブに手をかけたものの、いちど車に引き返してしまったほど入りにくいです。
恐る恐るドアを開けると、明るい笑顔の女性が「いらっしゃーい!」と迎えてくれました。
ここで一気に心の雪解け。
もし仏頂面だったら「間違えました」と言ってくるりときびすを返していたかもしれません。
- カウンター席が8つほど
- 4〜6人掛けの座敷も2席
外から見えていたフリフリのカーテンに何故かレーザーカラオケセットもありやっぱりスナックのようなのですが、思ったより広くて明るい店内と、掃除が行き届いたぴかぴかの厨房の様子が見えほっとひと安心。
こちらがメニューです。すきやきは1人前 1,200円。
おでんの具に、なんと田いもがあるようす。これは珍しいのではないでしょうか。
というわけで、とりあえず看板メニューのすきやき2人前を注文してみることに。
沖縄風のすき焼き
こちらが店主の笑(えみ)さん。
店名もお名前からつけたそうで、そのまま「笑(えみ)」と読むそうです。
名は体を表すとは言いますが、まさにこの方がそう。にこにこ笑顔で楽しそうに話しかけてくれるので、思わずこちらもつられて笑顔になってしまいます。
このお店は10年ほど前から営業しているそう。客層は常連さんがほとんどですが、たまに私のような一見さんも看板につられて来ることもあるんだとか。
「はい、じゃあ作りましょうねえ〜!」
カウンターにIH調理器と鉄製のすき焼き鍋がセットされ、笑さんがてきぱきとすき焼きの材料を入れてくれます。
笑さんが子ども時分には沖縄にすき焼きは無かったそうですが、本土で食べてきた人が広めたりして徐々に沖縄でも食べられる店が増えていったそう。聚楽園や笑のようにすき焼き専門店もいくつかありますが、沖縄では食堂のメニューでもおなじみですね。鉄鍋ではなくお皿に盛られ卵がのったものが出てきますが。
笑のすきやきは、どちらかといえば関東風。
沖縄の人は甘いのが苦手なので甘さは控えめに家庭的なさっぱりとした味わいにしているそう。
笑さん特製の割り下は、鶏とじゃこをご時間煮たものを濾しさらにかつおなどを加えて作っているとのこと。手間暇かかっています。
赤玉の卵と、ごはんつき。
笑さん特製すきやきが完成
材料が煮えたら完成。割下の煮えるなんともいえないいい香りが店内に漂います。
具は季節によって多少変わりますが、この日は牛肉、白菜、しらたき、ほうれん草、しめじ、豆腐、しいたけ。
今は夏なのですき焼きに使う冬野菜はハウスものになってしまいますが、やはり旬の冬のほうが断然大きくて安くて美味しいそう。
卵に絡めて食べてみると、なるほどベタベタ甘すぎずすっきりとした味わいで美味しい!!
しらたきやしいたけにはよく割下の味が染み込んでいます。
暑い時には熱いもの。夏に食べるすき焼きもなかなかいいものです。
笑さんイチオシの豆腐。いろいろ食べ比べてみて笑さんが一番おいしいと思った、豊見城にある比嘉とうふさんの豆腐を使っているそう。食べてみると、今まで味わったことが無いほど濃厚な風味!一般的な島豆腐のように硬くなく絹ごしのようにきめ細かく柔らかいのですが、しっかりとした味わいがあります。これはものすごく美味しい。「冷奴でも美味しいよ」とおっしゃっていたので、この豆腐だけでも食べに来たいほど。
野菜の話をしていたら、おもむろに笑さんがオクラ投入。
すき焼きにオクラ!?と驚いていたら、「これは夏の野菜だからね。なんでもすき焼きに入れて食べたらいいのよ。」とのこと。
その後も「オクラはね、細かく刻んで納豆に混ぜたら美味しいのよ。」「ゴーヤーを薄くスライスして梅とかつおかけて食べると最高。アバシゴーヤーは生でも苦くないから。」「チャーハンなんかはさっぱりするから私はいつもお酢をかけて食べるのよ。」「おでんはやっぱりてびちが最高。これを食べなきゃ。」「あ、島らっきょう食べる?」と止まらない食トーク。
食べること、食べさせることが本当に好きな方なのでしょう。ニコニコの笑顔を見ていてとても温かい気持ちになりました。
締めのうどんがまた最高。
ちょっとお行儀悪いですが、最後は割下をかけてオンザライスで。
ごちそうさまでした
おでんも食べようと思っていたのですが、すき焼きだけでもう満腹。
気になっていた田いものおでんは旬が冬なので今は切らしているそうなのですが、むっちりした食感がとても美味しくておすすめだそうなので、出回りだしたら是非食べに訪れたいと思います。
最終的にはなんだか仲良くなってしまいました。
店構えはかなり入りにくいですが勇気を持って飛び込んでみると、笑さんが温かい笑顔と美味しいすき焼きで迎えてくれます。
是非訪れてみてくださいね。
ただし、笑さんはゴルフの話を始めるとノンストップになるのでご注意を。
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すきやき&おでんハウス 笑(えみ)
住所:沖縄県宜野湾市上原1丁目3-8
TEL:098-893-2188
定休日:祝祭日
営業時間:18:00〜