今のうちに水納島に行っておく

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本部町にある離島、水納島(みんなじま)。高級リゾートを開発する計画が進んでいるそうで、今のうちに島の様子を見に行ってきた。

皆さんは水納島(みんなじま)という島をご存じでしょうか。

水納島は本部町にある離島でその形からクロワッサンアイランドなんて洒落た名前がつけられていたりします(水納島はクロワッサンアイランドなのか)。もともとは無人島だったそうなのですが、本部町の瀬底集落の人々が開墾を行い、移り住んだと文献には記載があります(角川地名大辞典 1986年 )。

現在も数十名の住民が住んでいて、島のメインとなっているのはマリンレジャー。本部町の渡久地港から15分で行けるため、日帰りの海水浴客が多く訪れています。

そんな水納島ですが、先日ちょっとビックリするニュースがありました。

ダイビングスポットの水納島に富裕層向けホテル計画 那覇空港と結ぶヘリポートも整備 京阪不動産などが290億円かけ2028年度に開業 沖縄・本部町

水納島に外資系ホテルを誘致して富裕層向けの高級リゾートを開発する計画が進んでいる、という話です。どんどんリゾート化していく沖縄にちょっと寂しい気持ちもありつつ、島に住んでいる人にとっては開発が進むことにより利便性は向上するわけであながち悪い話では無いのかなぁと思ったりもします。

その是非については置いておいて、僕が水納島に行ったのは10年前くらいに海水浴に行った1回のみです。開発が始まる前に水納島がどんな島なのか、訪れようと思いました。

 

渡久地港から水納島へ

というわけで、朝11時に本部町の渡久地港へ。水納島へは船で15分しかからないので、割と手軽に行ける離島ではあります。

こちらが水納島行きのフェリー「ニューウィングみんなⅡ」。

ド平日の月曜日に行ったのですが、フェリーは席に座れないほどの満席でちょっと驚きました。すでに水着でテンションが高めの観光客集団、小さな子供を連れた多分沖縄の集団、ちょっと大きめのリュックを背負った外国の人などなど客層はさまざまです。

デッキが進行方向と逆なので遠ざかっている本部をぼんやりと見ていましたが、すぐに水納島に到着。水納港近くの海の色に歓声があがっていました。確かに透明度も高くめっちゃ綺麗。

水納港のすぐ近くに水納ビーチがあり、船に乗ってきた人の95%くらいはここが目当てのようです。前に水納島に来たときと変わらず、ビーチには色とりどりのパラソルが並んでおりあまり沖縄では見ない光景が広がっています(僕が観光地に行かないだけなのかもしれないけど)。

こちらが島のメイン道路。しっかり舗装されています。

メイン道路を通って島の中へと歩いて行くと数店舗、パーラーがあり陽気な夏の音楽が流れていました。

ゲスとハウスや民宿などもありますが、多分民家だろうという家もありましたが、数件程度。

電信柱の表記は「水納」。右側にはテックス板が括られています。

なんか倉庫みたいな建物があったのですが、雑貨屋さんだったようです。

水納港から歩いて5分かからないくらいで、島の反対側に着きました。こちらには遊泳客はほぼおらず、ちらほら海岸を探索している人がいました。

 

島の東西に行ってみる

今度は島の西側に行ってみます。このあたりまで来ると人はほぼおらず、たまに2-3人とすれ違ったりする程度。

西のビーチまで行こうと思って歩いていたのですが、途中にお墓がありました。

もう草が伸び放題ですが、多分畑だったり何かを作っていたんだろうなという場所もちらほら。

こちらは牛小屋。島内案内図に書かれていたので多分そうだと思うのですが、もう牛もおらず草も伸び放題でした。

島内横断よりもかなり時間がかかりましたが、西のビーチにやってきました。誰もいない海。

西のビーチに行く途中で見えて気になっていた建物に来た道を戻りがてら言ってみました。こちらは水納小中学校。今は休校になっているようです。

結構大きな校舎で、体育館もありかなり学校としてはしっかりとした建物でした。

入り口には学校の歴史と生徒数の推移などがパネルでまとめられているのですが、生徒数のピークは1961年の44名、そこから減少していき2008年で5名と書かれていました。

西側の探索を終えて、東側にも行ってみます。

水納島は基本的に全然日陰がないのですが、一箇所だけ木のトンネルみたいな場所があり

途中に拝所がありました。

あとめちゃくちゃ沢山ハブ捕獲器があったので、ちょっと怖かったです。

東側に道なりに進むと灯台がありました。今も使われているんでしょうか?

東側の道は何本かあり、行ったり戻ったりを繰り返しつつ、島にある井戸も見つけました。先出の角川地名大辞典によれば「島の開拓期に掘った3基の井戸は飲料に適せず、飲料水はもっぱら天水に頼った」とも書かれているので飲み水には使っていなかったようですが、当時の人の苦労が忍ばれます。

海岸に抜ける道にはいきなりパパイヤが生えていたりして、これも実は生活の痕跡なんじゃないのかなぁなどと思いました。

 

うまく言えないけれど


島の売店で売られていたシャコ貝。高いのか安いのか。

というわけで、本日は水納島からお届けしました。

離島特有の何をするでもなく、ただ海を眺めるような時間の使い方が僕は好きです。でもその離島に暮らす人々も居るわけでその人達ことを無視して「高級リゾートなんてけしからん」みたいな事を外から言うのは傲慢だし、そもそもリゾート化と言ってももう水納島はほぼリゾート地みたいな感じになってるし…結論は出ませんがとりあえず今の水納島の様子をここに残しておこうと思います。

最期になりますが、橋本倫史さんという方が水納島での人々の暮らしを「水納島再訪」という書籍にまとめられています。本の中では海洋博開催の時に島を守るための運動があった話や、定期的に砂を移動しないと海岸線が維持できない現状、かつての名産品だったスイカの話だったりとニュースだけでは分からない水納島の話が載っているので読んでみることをおすすめします。

また、これを機にまだ水納島に行った事がない方は是非今のうちに島に足を運んでみるとよいと思います。
それでは皆さんご一緒に

みんなで行こう、水納島。

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