- DEEokinawaトップ
- 特集
- 宇栄原公設市場の欠片を探して
宇栄原公設市場の欠片を探して
宇栄原市営住宅の高層マンション群の中心にひっそりとその姿を残す「宇栄原公設市場」。今はもう中に入れないが、周辺を歩いて在りし日の面影を拾い集めた。
市営住宅の中心にポツンと残る宇栄原公設市場
那覇市の南西部に位置する地域、那覇市宇栄原(うえばる)。
その海軍壕公園からもほど近い場所に、真新しい高層マンション群「宇栄原市営住宅」があります。
地上11〜12階建てという高層住宅は、今から20年前の2006年頃から建て替え事業が進められており現在も引き続き工事が行われています。
強い夏の日射しを受けて白く輝く真新しい高層マンション群は、なんだかここが沖縄ではないような不思議な景色です。

その近くに、なにやら特徴的な形をした古い給水塔が。

少し小高くなった丘の頂上に建っているので、塔自体の高さよりもかなり大きく感じます。
そして給水塔に近づいてみると、そのふもとにあったのは「宇栄原公設市場」。


二階建てのかなり古い建物ですが、しっかりと看板の文字が読み取れます。

残念ながらもう営業はしておらず、現在進んでいる市営住宅建て替え工事の事務所になっているようで、敷地内に立ち入ることはできませんでした。
那覇市内の市場をまわってその記録をまとめられた一柳亮太さんのnote記事によると、数年前まではまだ数軒の事務所が残っていたそう。その頃に足を運んでいれば...!と悔やまれます。
振り返れば、この景色。

過去と現在、まさに時代が交錯したかのような妙な感覚です。
公設市場跡の周辺を探索してみる
公設市場跡に立ち入ることはできないので、敷地に沿って周辺を歩いてみることに。

フェンスの向こう見える二階建ての建物。
2階部分の壁には「□□原団地自治会□務□(宇栄原団地自治会事務所)」の文字が見えます。

1階部分はすっかりシャッターが閉まっていますが、2階部分の窓が開いており、建築事務所として機能している気配がしました。

建物の左側からの侵入経路の階段もフェンスでしっかりと閉ざされていました。
敷地の入口付近には、標語が刻まれたコンクリート柱が。

「ほめてあげればよい子供」

「明るい少年□□□□□」後半部分は判読不能でした。

その横には5段ほどの階段が残されていました。かつては団地に住むたくさんの子どもたちが、ここに座って遊んでいたのだろうなあと想像します。


1階屋根の庇部分の左端には「金龍堂」の文字が。屋号で検索してみたところ、書店か薬局だったのでしょうか?いくつか同様の屋号がヒットしましたが、詳細までは分かりませんでした。

那覇市民憲章の看板が残されていました。
今やこういった標語や憲章の看板を街中で見かけることが少なくなりましたね。

こちらは完全に枠だけになってしまった大きな看板跡。いったいどんな看板がついていたのでしょうか。
変わっていく風景をここにとどめておきたい

宇栄原公設市場跡の敷地を裏側まで回ってみましたが、ぐるりと工事フェンスで覆われており、その後ろ姿までは確認できませんでした。

フェンスの小さな穴越しにうっすら見える宇栄原公設市場跡の背中。

建物の左側。2階の裏手にはバルコニーのような部分が見えます。

建物の右側は工事用車両の出入口ゲートが設置されており、こちらもこれ以上先には進めませんでした。
歩道にも雑草が生い茂り、すぐ後ろの市営住宅のきっちり手入れされた芝生やきれいな歩道とのコントラストを感じます。

いずれはこの市場の建物、そして給水塔までもが取り壊されてしまうのでしょうか。
仕方ないことと理解してはいますが、またひとつ沖縄の歴史を語る建物が消えてしまうのはなんともさみしいもの。せめて少しでも、ここに記録として残せたらと思いました。
DEEokinawaでは、そんな失われた沖縄の風景を巡る「世界記憶遺産」も運営しておりますので、ぜひお時間がある際にぜひこちらもご覧いただけましたら幸いです。
読者様からのお問い合わせや情報提供もぜひお寄せください。








