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あれから15年、「興作のおもちゃ箱」の今
DEEokianawaができてすぐの頃に紹介した南城市の「興作のおもちゃ箱」。あれから15年が経過し、現在はどうなっているのだろうか
まだやってますか?
DEEokinawaがスタートして今年で15年。多くのものがなくなったからこそ、まだあるのか?を確かめに再訪問するのもいいのでないでしょうか。
これまで今帰仁の魅惑の観光迷所「ダチョウらんど」や、那覇市壺屋の「ゲンキ食堂」が営業していることを確認しました。
今回訪れるのは、15年前にほんの少しだけ紹介したことがある南城市佐敷にある「興作のおもちゃ箱」。
- 2010年8月当時
- 館長の目島興作さん
当時はいろんなTVや雑誌に紹介されていましたが、あれから15年どうなっているのでしょうか。
個人的には何回か訪れていましたが、いまいちど、きちんと「興作のおもちゃ箱」の魅力を探りたくなったので行ってきました。
2025年3月、まだまだやってます
こちらが2025年3月現在の「興作のおもちゃ箱」。
看板を庭に移動したのだなと思っていましたが、写真を見比べると新しい看板に作り変わっているようですね。
庭の奥に建物があり、1階部分が工房になっています。
少しずつくたびれた感じにはなっていますが、黒電話のドアノブは15年前から同じです。
こちらに以前の看板が。
看板の横には
「めんそーれー、入館料は無料ですが、面白くてタメになったらおもちゃ(100円程度)を買っていってね」
と書いてあります。
良心的すぎる。
室内へ。
一部壁などがなくなって、半屋外になっています。ここって下駄履きの駐車場のようなスペースだったんだ!と思いました。
一見なにかわからないけれど、知るとすごいいろいろな工作がたくさん。
賞状や取材を受けた記事なども展示されています。
80代になった目島興作さん
「興作のおもちゃ箱」のおもしろいところは、作られたものを見学するのではなく、目島興作さんが一緒に実演、解説してくれるところです。
1年生の娘と一緒に行ったのですが、最初の問題は「この輪っかキャッチできるかな?」でした。
パッと離された手に全然対応できない娘。わたしもやってみましたが、紐が短すぎてどんなに集中しても手を握った瞬間には輪っかは床に落ちていました。
ではわたしがやってみましょうと興作さん。わたしが何度手をパッと離しても、パシッと輪っかをキャッチしてしまうのです。
なにこの集中力!俊敏力!もしかして宇宙人?なのです。
こちらはペットボトルの脇を撫でると沈んだり浮かんだりする浮き輪。文字で書くとわけがわからなそうですが、手品のようなことがたくさん起きます。
でもぜんぶ理由があるんだって
なんでー?不思議ー?と面白がるだけでも十分楽しいのです。
でも先ほどのキャッチもペットボトルのおもちゃも、宇宙人の能力でも手品でもなく、すべて理由があると言います。
一見、興作さんはちょっと変わった町のおもしろおじさんなのですが、原産地メキシコでは百年に一度しか咲かないと花とされている「アガべ・アテナータ」を、沖縄で2回咲かせて新聞に載ったり。
習字がめちゃくちゃ上手だったり。
習字で鏡文字も書けたり。
鉛筆画を半日書くと写真と見紛うレベルだったり。
復帰前だから表彰状はアメリカの横文字にならって横書きだったそう
復帰前の沖縄でウエイトリフティングを優勝していたり。
ものすごく多才なお方なんですが、多才のひとことで片付けてはいけないのです。
興作さんは言います。
「すべてのことには理由がある」
なんでできるんだろう?どうなっているんだろう?と理由を考えて、観察して、探るんだそうです。
どうやったら輪っかをキャッチできるのか?なぜアガべ・アテナータはメキシコでは咲くのか?上手い絵とはなんなのか?どうすれば重いものを持ち上げられるのか。
- 水の中のお皿の真ん中に10円を一発で置けるか実験
- 興作さんはもちろん一発で置けます
興作さんと話していると、無理なことなんかないし、いろんなことにチャレンジしたくなってきます。
できないことは悔しいけど、できるようになるために頑張ることは楽しいもんね。
引き寄せている気もするけど
すべては考えて発想する力だよ。と教えてくれる興作さんですが、こういう人のところには面白いものも自分からやってくるんじゃないかとも思います。
家の時計がある日から逆回転するようになったそうです。TVに取材してもらおうかなと言ってました。理由は考えているけどわからないそう。
2mのハブが家の横にいたそうで、皮を剥いで残しているそう。巨大すぎて全部は写真には写せませんでした。
いつか世界の偉人に?
興作さんの作品は、身近なものを工夫して玩具にしているので、ぱっと見は雑多な感じがします。でも、よく見るとどれもヒラメキが詰まっていて改めて本当にすごいなと思いました。しっかり話を聞いていたので、娘もなにかしら感じていてくれていたらいいなと思います。というか子どもたちはみんなこのおじさんの話を聞いた方がいいと思う。可能性が広がると思う。
永久機関試作品
今後の夢は、1.沖縄に雪を降らせる、2.永久機関を作る(もう頭の中ではできている)だそうです。
永久機関ができたら資源問題なども解決できて世界から大絶賛ですね。
あと今年中にいまの工房を展示室に、2階をカフェにする予定だともおっしゃっていました。まだまだ発展途中だったのか!
ということで本当にカフェになったら改めて取材させていただきたいと思っています。
ということで工房と同じく目白押しの記事になってしまいましたが、興作さんは以前言っていたように本当に200歳まで生きそうなので、まだまだ「興作のおもちゃ箱」でびっくりできそうです。
興作のおもちゃ箱
沖縄県南城市佐敷字兼久95
定休日:不定休
予算:無料