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初めてのイラブー汁作り
10年以上ずっと棚に置いてあったイラブーの燻製でイラブー汁をつくりました
DEEokinawaの事務所にはいつの頃からかイラブーの燻製がありました。
- 生のイラブーと並べて写真を撮られたり
「生イラブーでイラブーの味を確かめる」より
- クリスマスツリーのリースとして使われたり
「沖縄っぽいクリスマスツリーが作りたい」より
生イラブーが2015年の記事なのですでに10年以上は確実にあるのですが、ずっとなんとなく置いてあったイラブーの燻製を、ちゃんと食べてみようと思うのです。
ちなみに放置していた理由は、燻製されていて腐らなそうだし、なによりイラブー汁を作るのがめちゃくちゃ時間がかかるらしいと聞いていたからです。
イラブー汁とは?
そもそも、イラブーとは和名エラブウミヘビといい、ハブより強い毒を持ったウミヘビです。琉球王朝時代は久高島のノロ(神女)だけに捕獲が許されていて大変貴重なものだったそうです。久高島には今もウミヘビを7日間かけて燻製にする小屋「バイカンヤー」というのが残っています。
これは久高島で見た捕獲されているイラブー
そしてイラブー汁はこの燻製されたイラブーを丁寧に煮込んで作り、滋養強壮の薬膳として琉球王朝時代は庶民が口にできるものではなかった料理でした。
イラブー汁の作り方はイラブーの卵が食べられるイベントでもらったレシピでつくります。
棒状や丸められた燻製イラブーが、「イラブー汁」と「イラブー粉末」になるまでの流れを、イラストつきでわかりやすく紹介されています。
イラブー汁を作る
最初の工程は水に少しつける。お湯だと次の工程で小麦粉がプットゥルーになってしまうそうですが、お湯でという方もいるそうです。
その間に仕事をしていたらつける時間が長すぎたのかボヨボヨに。
煤(すす)を落とすために、酢と小麦粉をまぜたものをイラブーにつけてタワシでこするそう。
ドカっ!
ゴシゴシ。やはり水につけすぎたのか強くこすると皮がめくれてしまいそうなので、優しく水で流しながら洗いました。
次は煮るのですが、棒状のものは鍋に入れるために包丁で切るとなかなか炊けないので折るようです。
まだ水につけただけなので折るのは結構硬そうですが。
丸のままのものはそのまま鍋にインでOK!
一度沸騰させたらアク取りのためにお湯を捨てます。そしてもう一度お湯を張って2時間ほど煮ます。
二時間後
写真ではぜんぜん伝わらないのですが、むせるほど部屋の中が強い鰹節の匂いで充満しています。
鍋から取り出して
骨だらけ
頭と尻尾は落として長さを揃えて輪切りに。
砕けてぜんぜん輪切りにはなりませんでした。
圧力鍋で炊いていきます
本来はここから二、三時間炊く→一晩おく、を2、3回繰り返し完成。炊けば炊くほどダシが出てイラブーが柔らかくなるということですが、ガス代が!
圧力鍋でもできるようなのなので圧力鍋で作っていきます。
というか圧力鍋でも1時間半から2時間!
- もう一度水を張りなおして
- コトコト煮ました
2時間後!骨ー!
ぶつ切りにする前に煮ていた茹で汁も使えるということだったので入れて、最後に塩で味付けします。
野菜や豚肉などの具材はいれずにイラブーだけのお汁にしました。
完成
他の具材が入っていないので寂しい限りですが、イラブー汁です。
半日以上かけて作っためちゃくちゃ時間がかかった料理なのに、正直な気持ちは「食べたくない」です。
なぜ塩しかいれていないのに泥のような色のスープなのか。なぜ蛇をわざわざ食べないといけないのか。
食卓に出したらブーイングの嵐が起きそうです。
でもせっかく作ったので食べましょう
身は少しは柔らかくなっている気がしますが、骨が多すぎて食べられません。
こんな泥色ですが、スープは意外とあっさり。ほんの少しだけ鰹節風味で飲みやすく一気に飲めてしまいました。
意外とというかぜんぜんいける。
ただ鍋いっぱい分を消費するにはひとりでは多すぎるし、夕ごはんに出すには見た目がネックすぎるので、残ったスープは小分けで冷凍して、これからお味噌汁なんかにちょこちょこ混ぜていこうと思います。
年に2度飲めば風邪はひかないといわれるぐらいの最強の滋養強壮薬膳イラブー汁。家庭であまり作ることはないと思いますが、時間がかかるだけで工程は簡単なのでぜひみなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか?