2021.06.29

【連載】ハブでも分かる!?遺老説伝 Vol.33

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1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという連載です。

ハブでも分かる!?遺老説伝

『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは

『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。

当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の芸大生・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。

*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。

第32回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに) -3』

前回のお話はこちらから

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その後、樽良知が相当年を取ってからのことです。
日頃、下男、下女を連れて田畑を耕す時、自分はやや遠くに傘を張って、皆の仕事を督励(とくれい)し、日暮れ近くなると傘をすぼめて仕事終りの合図を致しました。
ある日、日が暮れても傘はそのまま張られているので、下男、下女が様子を伺うと、樽良知は脆(ひざまず)きしたまま死んでいました。
死骸(しがい)は他に移さず、その場所を墓場にして葬りました。
永い年月を経て、身内の者がその墓を堀って見ると、骨は鉄のように固く、骨の継目(つぎめ)もガッチリ合され解(と)くこともできませんでした。
沖縄の風習として、葬式の時には念仏鉦(ねんぶつかね)を鳴らし、身近な者が号泣(号泣)する習慣(ならわし)ですが、樽良知の墓の前を通る時は、かならず鉦を鴫さず、号泣もやめました。
その理由(わけ)は伝わりませんが、習慣は今日までも実行されています。

『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P216 - P217より 琉球史料研究会編(1963年)

話の中で念仏鉦の話が出てきますが、かつて首里あたりに念仏鉦を打つ人(ニンブチャー)が住んでいた「行脚村(アンニャムラ)」という村があったそうです(詳しくはこちら)。葬儀の時はニンブチャーが呼ばれ、葬列に加わって、墓前で念仏歌を歌ったのだそうです。
また、葬儀の時に身近な人が号泣する習わしですが、泣き女という項でwikipediaでも紹介されています。奄美諸島や沖縄では各市町村誌などでその存在が確認出来ます。

<バックナンバー>
プロローグ『クバとハナ』/第1回『那覇という地名の由来』
第2回『田芋のふるさと』
第3回『天久宮の伝説・前編』
第4回『天久宮の伝説・中編』
第5回『天久宮の伝説・後編』
第6回『辺戸の星窪』
第7回『羽地祝女』
第8回『邑(ムラ)を作った兄弟・前編』
第9回『邑(ムラ)を作った兄弟・後編』
第10回『神々の遊び』
第11回『貫玉』
第12回『普天間宮の伝説-1』
第13回『普天間宮の伝説-2』
第14回『普天間宮の伝説-3』
第15回『普天間宮の伝説-4』
第16回『普天間宮の伝説-5』
第17回『西表島の祖納堂』
第18回『水の恨み・前編』
第19回『水の恨み・後編』
第20回『御水マラソン』
第21回『おもろそうし』
第22回『睡虫次良・前編』
第23回『睡虫次良・後編』
第24回『時双紙』
第25回『城殿』
第26回『夫人の仇討ち-1』
第27回『夫人の仇討ち-2』
第28回『夫人の仇討ち-3』
第29回『夫人の仇討ち-4・完』
第30回『進貢船』
第31回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)』
第32回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-2』
第33回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-3』

ゲストライター

吉元あきこ
沖縄で生まれ育ち、京都の芸術大学を卒業。地元を愛し、沖縄マンガを描くことを生業としています。Twitterで作品を公開中です。
実はキジムナーに会ったことがあるのが自慢ですが、よく覚えていないことが残念。
好物はジミーのアップルパイ。
ワラビーにて「5年1組 でいご通信」連載中。
twitter:https://twitter.com/8dydpxGguooAzWM
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