2020.04.28

【連載】ハブでも分かる!?偉老説伝 Vol.24

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1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという連載です。

ハブでも分かる!?遺老説伝

『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは

『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。

当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の芸大生・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。

*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。

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時双紙(ときそうし)

世の中が未開で、まだ文字を持たなかった大古(おうむかし)の話です。
天の神様が、「時双紙(ときそうし)」という占(うらない)の本を持つて、この世にお下りになり、その本を人々に教えられました。
本の文字の数は一百字あまりあつて、日や方角(ほうかく)の吉凶(よし、あし)から、神々のこと、人間が間達(まちが)つた行いをしないように、病気にかからないように、幸福を人々にさづける本でございました。
その後、ある人が悪い日であるのに自分の家を造りました。
天の神様が、これをごらんになって、占(うらない)をする者をよびつげられ

「今日は大変悪い日であるのに、家造りをさせるのはどうしたことじや」

とお叱りになると占師が

「その者は、私の所え教はりにきないで、勝手にやつていますので、なんとも致し方ありませんでした。」
それを聞いた神様は、大へん怒(おこ)られて

「彼奴(あいつ)は愚者で知らないんだ、が、お前はなぜ行つて教えてやらなかったか。」

神様は本をうばい取って、さんざんに引きちぎつて天上へお帰りになりました。
それで、世の中に残された文字は、十干(じつかん)、十二支(じうにし)の二十二文字だけとなつたとのことです。

『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P4 - P5より 琉球史料研究会編(1963年)

<バックナンバー>
プロローグ『クバとハナ』/第1回『那覇という地名の由来』
第2回『田芋のふるさと』
第3回『天久宮の伝説・前編』
第4回『天久宮の伝説・中編』
第5回『天久宮の伝説・後編』
第6回『辺戸の星窪』
第7回『羽地祝女』
第8回『邑(ムラ)を作った兄弟・前編』
第9回『邑(ムラ)を作った兄弟・後編』
第10回『神々の遊び』
第11回『貫玉』
第12回『普天間宮の伝説-1』
第13回『普天間宮の伝説-2』
第14回『普天間宮の伝説-3』
第15回『普天間宮の伝説-4』
第16回『普天間宮の伝説-5』
第17回『西表島の祖納堂』
第18回『水の恨み・前編』
第19回『水の恨み・後編』
第20回『御水マラソン』
第21回『おもろそうし』
第22回『睡虫次良・前編』
第23回『睡虫次良・後編』
第24回『時双紙』
第25回『城殿』
第26回『夫人の仇討ち-1』 第27回『夫人の仇討ち-2』

ゲストライター

吉元あきこ
沖縄で生まれ育ち、京都の芸術大学を卒業。地元を愛し、沖縄マンガを描くことを生業としています。Twitterで作品を公開中です。
実はキジムナーに会ったことがあるのが自慢ですが、よく覚えていないことが残念。
好物はジミーのアップルパイ。
ワラビーにて「5年1組 でいご通信」連載中。
twitter:https://twitter.com/8dydpxGguooAzWM

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