2021.04.27

【連載】ハブでも分かる!?遺老説伝 Vol.31

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1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという連載です。

ハブでも分かる!?遺老説伝

『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは

『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。

当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の芸大生・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。

*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。

第31回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)』

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むかし、喜屋武の束平名(ちかひな)に樽良知(たらち)というのがいて、体は小さいが、その力は匹敵する程の者はいませんでした。
ある日のこと、材木を一杯積んだ、国頭山原船(くんじゃん・やんばるうね)がそこに錨(いかり)を下ろして木材を売りました。
樽良知は、全部まとめて買取ろう、といろいろ相談しましたが、舟人達は少しでも高く売りつけようと「小売でないと売らない」と頑張りました。
樽良知は、その眼先だけの小狡(こずる)さにとうとう怒り出し、材木を積んだ船諸共、砂浜にひき上げて、そのまま家に帰りました。
この恐(おそ)ろしい豪力に舌をまいた船人達は長居は無用、と船を浜から下そうとしたが、船はビクとも動きません。
船人達は、精根尽きはてて相談の末、材木を樽良知の家に運び、先程の失礼を詫びして「まとめてお買下さい」と平身低頭して売りました。
気分をなおした樽良知はやすやすと、船を海に下して彼等を見送って船出させました(続く)。

『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P214 - P225より 琉球史料研究会編(1963年)

お話に出てくる「束平名(つかひな)」は糸満市にあります。明治36年に束平名村は上里村と合併して「束里村」となり、現在も字としてその地名が残っています。地図で見ると結構海までは距離があるので、材木を運ぶのは大変だったのではないでしょうか…。

<バックナンバー>
プロローグ『クバとハナ』/第1回『那覇という地名の由来』
第2回『田芋のふるさと』
第3回『天久宮の伝説・前編』
第4回『天久宮の伝説・中編』
第5回『天久宮の伝説・後編』
第6回『辺戸の星窪』
第7回『羽地祝女』
第8回『邑(ムラ)を作った兄弟・前編』
第9回『邑(ムラ)を作った兄弟・後編』
第10回『神々の遊び』
第11回『貫玉』
第12回『普天間宮の伝説-1』
第13回『普天間宮の伝説-2』
第14回『普天間宮の伝説-3』
第15回『普天間宮の伝説-4』
第16回『普天間宮の伝説-5』
第17回『西表島の祖納堂』
第18回『水の恨み・前編』
第19回『水の恨み・後編』
第20回『御水マラソン』
第21回『おもろそうし』
第22回『睡虫次良・前編』
第23回『睡虫次良・後編』
第24回『時双紙』
第25回『城殿』
第26回『夫人の仇討ち-1』
第27回『夫人の仇討ち-2』
第28回『夫人の仇討ち-3』
第29回『夫人の仇討ち-4・完』
第30回『進貢船』
第31回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)』
第32回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-2』
第33回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-3』

ゲストライター

吉元あきこ
沖縄で生まれ育ち、京都の芸術大学を卒業。地元を愛し、沖縄マンガを描くことを生業としています。Twitterで作品を公開中です。
実はキジムナーに会ったことがあるのが自慢ですが、よく覚えていないことが残念。
好物はジミーのアップルパイ。
ワラビーにて「5年1組 でいご通信」連載中。
twitter:https://twitter.com/8dydpxGguooAzWM
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