2022.03.22

【連載】ハブでも分かる!?遺老説伝 Vol.42 津波を防ぐ方法

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1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという連載です。

ハブでも分かる!?遺老説伝

『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは

『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。

当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の漫画家・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。

*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。

第42回『津波を防ぐ方法 -2』

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津浪(つなみ)を防ぐ法
用事がすんで、イソイソと家に帰ってきた時には、見る影もなく家は流され、なつかしい、お父さん、お母さんは見えません。
幼い佐禰大翁には、頼って行く家もありませんので、朝から晩まで泣き続けて、村中を歩きまわるばかりでした。
ここ、喜佐真按司(きさまあんじ)という人がいて、悲しんでいる佐禰大翁に同情されて、手許(てもと)にひきとり養うようになりました。
佐禰大翁は温い按司の手で、元気にスクスクと、大きくなって行きました。
十五才になったある日、一人で美名草浜(みなくさはま)に出かけて、美しい海の景色に見とれていますと、玉とも、花とも、筆や言葉で並べても到底いいあらわせない、匂(にお)うばかりの神女が、たった一人小舟にのってこの浜に渡ってきました。
佐禰がウットリと見とれていると
「私は武麻按司(うまあじ)という者です。
今竜宮が、貴方の正直なことをお聞きになって、感心なされ、親兄弟もなく、ただ一人ぼっちで、どんなに淋しかろうとお哀(あわれ)みになって、お慰めするようにと、特に私をお遣(つか)わしになりました」
佐禰は、驚いてしまい
「私は、賤(いや)しく、貧しい者でございます。
今は、まったくの一人ポッチです。貴女は気高い、女神でいらっしゃいます。
とても貴女と、夫婦になれるような者ではありません」
と固くことわりますと
「私は、いいつけでここに来たのです。そして、貴方を助けてあげるのですから、おことわりになるものではありません」
と神女にいわれ、ことわることも出来ず、命令にしたがい、喜んで、その申出をお受けして夫婦の契(ちぎり)を結びました。

『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P101-102より 琉球史料研究会編(1963年)

<バックナンバー>
プロローグ『クバとハナ』/第1回『那覇という地名の由来』
第2回『田芋のふるさと』
第3回『天久宮の伝説・前編』
第4回『天久宮の伝説・中編』
第5回『天久宮の伝説・後編』
第6回『辺戸の星窪』
第7回『羽地祝女』
第8回『邑(ムラ)を作った兄弟・前編』
第9回『邑(ムラ)を作った兄弟・後編』
第10回『神々の遊び』
第11回『貫玉』
第12回『普天間宮の伝説-1』
第13回『普天間宮の伝説-2』
第14回『普天間宮の伝説-3』
第15回『普天間宮の伝説-4』
第16回『普天間宮の伝説-5』
第17回『西表島の祖納堂』
第18回『水の恨み・前編』
第19回『水の恨み・後編』
第20回『御水マラソン』
第21回『おもろそうし』
第22回『睡虫次良・前編』
第23回『睡虫次良・後編』
第24回『時双紙』
第25回『城殿』
第26回『夫人の仇討ち-1』
第27回『夫人の仇討ち-2』
第28回『夫人の仇討ち-3』
第29回『夫人の仇討ち-4・完』
第30回『進貢船』
第31回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-1』
第32回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-2』
第33回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-3』
第34回『恐ろしい報い』
第35回『宝剣 千代金丸-1』
第36回『宝剣 千代金丸-2』
第37回『宝剣 千代金丸-3』
第38回『宝剣 千代金丸-4』
第39回『宝剣 千代金丸-5』
第40回『宝剣 大昔の世』
第41回『津波を防ぐ方法-1』
第42回『津波を防ぐ方法-2』
第43回『津波を防ぐ方法-3』
第44回『世誇宮』
第45回『平和の神-1』
第46回『平和の神-2』
第47回『淵の幽霊船-1』
第48回『淵の幽霊船-2』
第49回『神文の水』
第50回『安里神社-1』

ゲストライター

吉元あきこ
沖縄で生まれ育ち、京都の芸術大学を卒業。地元を愛し、沖縄マンガを描くことを生業としています。Twitterで作品を公開中です。
実はキジムナーに会ったことがあるのが自慢ですが、よく覚えていないことが残念。
好物はジミーのアップルパイ。
ワラビーにて「5年1組 でいご通信」連載中。
twitter:https://twitter.com/8dydpxGguooAzWM
BLOG:ありんくりん書房
Youtubeチャンネル:ウミナイビ城 / Uminaibi Gushiku
フリーイラスト素材:イラストAC
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