2022.11.29

【連載】ハブでも分かる!?遺老説伝 Vol.50 安里神社-1

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1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという連載です。

ハブでも分かる!?遺老説伝

『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは

『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。

当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の漫画家・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。

*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。

第50回『安里神社-1』

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安里神社

むかし、仲城郡屋宜邑(やぎむら)に一人の百姓が住んでいました。
ある日、海辺に漁(りょう)にでかけ、舟が、ちょうど安里港を通りすぎた時、にわかに東風がおきて、波は荒れ狂い、舟を進めることができず、しかたなく舟を安里港にこぎつけ、陸に上って一休みしました。
しばらく一休みしているうちにウツラウツラしていると、一塊(ひとかたまり)の霊石が土の中からでてきて
「我は権現だ、お前は、是非我を土中から堀りだして崇(あが)め信じよ。
我は、お前の一家の者、老幼男女すべて病を消し、万事が利を得て、願いごとはみな、叶(か)のうようにしてやる」
と申されました。
百姓はビックリして夢からさめ、あたりの海岸を見渡すと、ちょうど夢で見た霊石が埋っているような気がしました。

『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P79-80より
琉球史料研究会編(1963年)

ちょっと小話

記念すべき連載第50回からは「安里神社」にまつわるお話を全3回に渡ってお届けします。
安里神社について調べてみたところ現在は同名の神社は存在しないようですが、国際通りや那覇新都心からもほど近い現在の那覇市安里にある「安里八幡宮」がおそらくこの安里神社と同一だと思われます。

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安里八幡宮は波の上宮や普天間宮と並ぶ琉球八社のひとつで、第一尚氏第七代・尚徳王により、1466年(文正元年)に創建された由緒ある神社。正面から見るとお社の背景に二棟の超高層マンションがにょっきりそびえ建つ、という非常に特長的な景観をもつ神社です。

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また、お話のなかで「安里港」という地名が出てきて、現在の安里といえば海岸からはかなり離れている印象なので違和感がありますが、実は沖縄の古地図などを見るとかつては安里川の河口が大きく広がっており、現在の牧志駅あたりに海岸線があったと伝えられています。ぜひ当時の那覇の風景を想像しながら読み進めていただき、物語の続きを楽しんでいただければと思います。

<バックナンバー>
プロローグ『クバとハナ』/第1回『那覇という地名の由来』
第2回『田芋のふるさと』
第3回『天久宮の伝説・前編』
第4回『天久宮の伝説・中編』
第5回『天久宮の伝説・後編』
第6回『辺戸の星窪』
第7回『羽地祝女』
第8回『邑(ムラ)を作った兄弟・前編』
第9回『邑(ムラ)を作った兄弟・後編』
第10回『神々の遊び』
第11回『貫玉』
第12回『普天間宮の伝説-1』
第13回『普天間宮の伝説-2』
第14回『普天間宮の伝説-3』
第15回『普天間宮の伝説-4』
第16回『普天間宮の伝説-5』
第17回『西表島の祖納堂』
第18回『水の恨み・前編』
第19回『水の恨み・後編』
第20回『御水マラソン』
第21回『おもろそうし』
第22回『睡虫次良・前編』
第23回『睡虫次良・後編』
第24回『時双紙』
第25回『城殿』
第26回『夫人の仇討ち-1』
第27回『夫人の仇討ち-2』
第28回『夫人の仇討ち-3』
第29回『夫人の仇討ち-4・完』
第30回『進貢船』
第31回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-1』
第32回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-2』
第33回『樽良知(たらーち)と大里鬼(うふざとうに)-3』
第34回『恐ろしい報い』
第35回『宝剣 千代金丸-1』
第36回『宝剣 千代金丸-2』
第37回『宝剣 千代金丸-3』
第38回『宝剣 千代金丸-4』
第39回『宝剣 千代金丸-5』
第40回『宝剣 大昔の世』
第41回『津波を防ぐ方法-1』
第42回『津波を防ぐ方法-2』
第43回『津波を防ぐ方法-3』
第44回『世誇宮』
第45回『平和の神-1』
第46回『平和の神-2』
第47回『淵の幽霊船-1』
第48回『淵の幽霊船-2』
第49回『神文の水』
第50回『安里神社-1』
第51回『安里神社-2』
第52回『安里神社-3』

ゲストライター

吉元あきこ
沖縄で生まれ育ち、京都の芸術大学を卒業。地元を愛し、沖縄マンガを描くことを生業としています。Twitterで作品を公開中です。
実はキジムナーに会ったことがあるのが自慢ですが、よく覚えていないことが残念。
好物はジミーのアップルパイ。
ワラビーにて「5年1組 でいご通信」連載中。
twitter:https://twitter.com/8dydpxGguooAzWM
BLOG:ありんくりん書房
Youtubeチャンネル:ウミナイビ城 / Uminaibi Gushiku
フリーイラスト素材:イラストAC

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